こんにちは!卯月銀河(@gingacamera)です。
SONYやCanon、Nikonなどがミラーレス一眼カメラを製造していますが、「オープンソースのミラーレス一眼カメラ」があることはご存知でしょうか?
今回はそんな一見変わったミラーレス一眼カメラである「オープンソースのミラーレス一眼カメラ」について紹介していきたいと思います。
結論、「オープンソースのミラーレス一眼カメラ」は非常に面白いプロジェクトです
オープンソースのミラーレス一眼カメラ「Sitina 1」とは
(参考:Wenting Zhang / Sitina1 · GitLab)
「Sitina 1」というのはもともと、アナログの一眼レフカメラをデジタルに改造するための背面パーツを作るプロジェクトとして始動していました。
ですがそのプロジェクトが様々に変更され、最終的に「完全なミラーレス一眼レンズ交換式カメラ」の制作へと変貌を告げました。
ミラーレス一眼カメラというと、SONYではα7Ⅳ、CanonではEOS R5 Mark II、NikonではZ6Ⅲなどが同じミラーレス一眼カメラに当たります。
さらに制作を行ったエンジニアのWenting Zhang氏がGitLabでそのソースコードを公開しているのも特筆すべき点です。
Wenting Zhang / Sitina1 · GitLab
「Sitina 1」のハードウェアスペックとは
下記がハードウェアの仕様になります。
ですがあくまでこれは暫定的仕様とのことです。
項目 | 仕様 |
---|---|
SoC | Xilinx Zynq 7010 (2x667MHz Cortex-A9、28K ロジック セル FPGA) |
RAM | 512MB 16ビットDDR3 SDRAM |
AFE | Analog Devices AD9990 |
センサー | Kodak/ONsemi KAI-11000/KAI-11002M/CM |
画面 | 3.4インチ 480×480 高輝度DPI IPS LCD |
外部ポート | SDスロット/USB Type-C/フラッシュ同期端子 |
そして下記の項目が搭載しているハードウェアに対して可能な機能となります。
ただあくまで「ハードウェアに対して可能な機能」であり、必ずしもソフトウェア的にサポートされているとは限らないと述べています。
項目 | 仕様 |
---|---|
センサータイプ | 35mm Interline CCDセンサー |
センサーサイズ | 36.0×24.0 mm |
有効画素数 | 10.7MP |
レンズマウント | アクティブEマウント |
静止解像度 | 4008×2672 10.7MP 3:2 3563×2672 9.5MP 4:3 1.08X クロップ 2672×2672 7.1MP 1:1 1.27X クロップ 2782×1856 5.2MP 3:2 APS-C クロップ 2676×2007 5.4MP 4:3 APS-C クロップ 2365×2365 5.6MP 1:1 APS-C クロップ |
静止画フォーマット | DNG (10/12/14 ビット ロスレス圧縮 RAW) JPEG |
読み出し速度 | 4008×2672で最大5FPS 4008×480で28FPS (ラインスキップライブビュー、出力用に480×320に再スケール) |
ビデオ撮影 | サポートなし |
ISO | 100~6400(カラー) |
「Sitina 1」の組み立ての様子
Zhang氏は動画で「Sitina 1」の実際の組み立ての様子も公開しています。
センサーやチップ、画面は市販品のようですが、それ以外はすべて地震で設計をされており、カスタムメイドの部品となっているようです。
動画内容としては本当に1からミラーレス一眼カメラの組み立ての様子となっており、すべてのミラーレス一眼カメラが同じではありませんがその構造や組み立てるとこうなるというのが見られるので非常に参考にもなると思います。
「Sitina 1」の作例
さらに「Sitina 1」では作例も一部公開されています。
「Sitina 1」のソースコードはどこで見られる?
「Sitina 1」はオープンソースとなっているため、誰でもその情報にアクセスをしてみることができます。
個人であっても企業であっても誰でもアクセスは可能です。
エンジニアのWenting Zhang氏がGitLabで公開しています。
Wenting Zhang / Sitina1 · GitLab
是非興味を持たれたら一度覗いてみて下さい。
SONY、Canon、Nikonなどの大手メーカーとのミラーレス一眼との違いとは
大手メーカーのミラーレス一眼カメラとは全く別物と今は捉えていいかと思います。
例えばSONYではα7Ⅳ、CanonではEOS R5 Mark II、NikonではZ6Ⅲなどがあり、確かにジャンルで言えば同じミラーレス一眼カメラではあります。
ただあくまで「Sitina 1」は個人で作成されたものなので、SONY、Canon、Nikonなど大手メーカーのような生産性やスペックではないと思います。
さらに製造においては各メーカー基本的には「クローズド」で製造は進めますが、こちらは「オープンソース」なので誰でもそのソース(情報)を見ることができる点も大きく違います。
なので「同列のミラーレス一眼カメラ」として捉えるのではなく、「別路線のミラーレス一眼カメラ」と捉えるのが個人的には良いかなと思います。
「Sitina 1」は購入可能?
「Sitina 1」の購入は今現在はできません。
大手ECサイトである、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでも販売はありません。
それも当然で、あくまで現時点で「Sitina 1」は個人が制作したものであり、販売というのは非常に難しい状況だと言えます。
ただオープンソース化されていることもあり、もしかすると今後このプロジェクトが進化を遂げて各ショップで購入できる日が来るのかもしれません。
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まとめ:オープンソースのミラーレス一眼カメラ「Sitina 1」は新たなカメラの可能性
今回はオープンソースのミラーレス一眼カメラ「Sitina 1」について紹介してきました。
Zhang氏は「このプロジェクトは【楽しむ】ために行っている。自分でカメラを作ったら楽しいだろうなという思いから取り組み始めた」と語っています。
ミラーレス一眼カメラはSONYやCanon、Nikonなどの大手カメラメーカーでないと作ることは難しいと思っていました。
ですが、世の中にはミラーレス一眼カメラを自作してしまうような優れた人がいるものです。
ですがそのような優れた人がミラーレス一眼カメラのその先へ導いてくれるのかもしれません。
今回はプロジェクトをオープンソース化しているのですが、これをきっかけとして未来に新たなミラーレス一眼カメラが生まれてくることを期待したいです。
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